旧ブログ 孔版印刷(有)大石孔版のブログ: 版やインキのことを軽やかに説明できないもどかしさ

2016年2月16日火曜日

版やインキのことを軽やかに説明できないもどかしさ

弊社で取り扱っているシルクスクリーン印刷という印刷方法は、
原理的には単純で簡単です。

版を作り、インキをのせ、スキージを使ってインキを無地のTシャツなど、被印刷物に刷り込みます。

最近では、オリジナルTシャツなどを作っている人の話をよく聞きますし、
音楽フェスなどにいくと、そこそこの割合でシルクスクリーン体験ブースが設置されていて、
実際に印刷を体験することができます。


そのような感じで比較的お手軽に印刷できる印刷方法ではあるのですが、
原理的には同じでも、被印刷物によって版の作り方、設定、使うインキ、使うスキージは
変わるんです。

たとえば、Tシャツ用に版を作ったからその版を使ってステッカーを作りたいということはできず、
同じ色で同じ内容のものでもステッカー用の版を作らなければなりません。

理由は、いくつかあります。

・まず版に貼る紗の目の粗さを変える必要があります。
・版に塗る液体が違います。
・ステッカー用に使うインキとTシャツに使うインキは色が同じでも種類が違います。

赤を印刷したいという場合、綿用、ポリエステル用、プラスチック用、ステッカー用、看板などの板に使う用すべて違うのです。
ここだけでも5種類のンキがあることになります。

Tシャツ用のインキでステッカーを印刷しても、手で触っただけで取れてしまったり、
印刷自体滲むといったことが起きます。

しかもその赤の中にも、透明性のある赤、不透明で透けないように印刷できる赤、耐候性の強い赤、
と様々な種類があります。

インキも色によって金額も変わりますしさらにこのインキはプラスチック用なんだけれども
ステッカーも印刷もできるというようななかなか説明するのにややこしい部分も多いのです。


紙に印刷する場合でも、この紙には濃く印刷できた、
しかし細かい文字があるときそのインキを使うと、細かいところがかすれてしまう。
したがって細かい文字が印刷しやすいインキを使うといったように使い分けるのですが、
細かい文字を印刷できるインキはシャープに印刷できるけど、
すこし濃さに欠けるといったことがおきるんです。

さらに紙によってもインキの吸収性によっても変わってきますので、
その場で断定してお答えできない場合があるのでご了承いただいています。


これには印刷できて、これには印刷できるけど版を作り替えたほうが良いですとか、曖昧な部分
大きい柄にはこっちのインキを使っているんだけど、
細かい柄には別のインキを使っている、
その境界線どこまでならこのインキで印刷できるのかという部分が
実際に普段印刷しているこちらの立場であれば、
判断基準を感覚でこたえられるのですが、
聞く側は違いがわからない!といったことが多々あるので、
このあいまいな部分を説明をもう少しスムーズに説明できるようにしていきたいとおもっています。

また、これは別に版を作る必要があります。という説明をさせていただく場合や、
これを一枚刷るのにこんなに高いの?といったこともあるかもしれませんが、
決してボッタくるとかいうつもりはなく、印刷する素材によってインキの値段、版の設定も変わってくるというのを了承していただければとおもいます。

もう少し国語をしっかりと勉強しておけばよかったかな。